第18章 『誘惑×理性崩壊』藤堂平助編*
――夜が明けて、布団の中。
激しく抱かれたあとの身体を、平助くんの腕の中で休めていた。
(……あんなに激しくされたの、初めてだった……)
優しい彼が、まるで別人みたいに豹変して――
すべてを奪うようにして抱いてきた昨夜のことを思い出すたび、まだ胸がドキドキしていた。
「……ももかちゃん、起きてる?」
「ん、うん……」
そのまま、首筋にキスが落ちる。
「さっきは、ごめんね。……ちゃんと眠れた?」
「うん、大丈夫だよ」
「……ほんと?よかった……」
そう言いながら、彼の手がゆっくり、わたしの太ももに沿ってすべってくる。
「でも……ひとつだけ、困ったことがあってさ」
「え?」
「……もっと、ほしくなっちゃったんだ」
「え……い、今……?」
「うん。もう一回……いい?」
その声は、少しだけ甘えたようで、でもどこか熱っぽくて。
わたしの返事を待たずに、彼の唇がわたしの耳元をくすぐってくる。
「だって、昨日のももかちゃん……可愛すぎてさ。
俺、まだ全然満足してないんだよね……?」
後ろから抱きしめられたまま、彼の指がわたしの敏感な場所をなぞる。
「っ……あっ……」
「今度は、もっと長く……もっと、気持ちよくしてあげるから」
「平助くん……っ」
唇を、頬を、首筋を、胸元を――
ひとつひとつ、大事に愛されていく。
「昨日みたいに、めちゃくちゃにはしないよ。
……でも、優しいだけじゃ終わらせない」
「っ、……そんなふうに、言われたら……」
「ももかちゃんが''欲しい''って言わせてくれるなら……俺、何度でも抱けるから」
腰を揺らしながら指を絡めて、
繋がったまま深く、強く、でも優しく――
「好きだよ……ももかちゃん。
もう一回、俺のことだけでいっぱいにして……?」
その瞳にはもう、いつものかわいい平助くんじゃなくて……
大人の男の欲望と、誰よりも強い愛情が滲んでいた。
(……やっぱり、平助くんには敵わない……)
身体の奥、心まで満たされながら、わたしは彼の名前を何度も何度も甘く叫び続けた――
fin.