第18章 『誘惑×理性崩壊』藤堂平助編*
押し倒された布団の上で、さっきまでの優しい笑顔はどこにもなかった。
「そっちが煽ったんだからな……泣いても、やめねぇから」
「っ……あっ!」
わたしの足を抱え上げて、腰を押し込んでくる彼の動きは、
いつもと違って、激しくて、強くて――
「ももかちゃんの中、気持ちよすぎて……全部、壊したくなる……」
「っ、へいすけくん……っ、そんなに、強くしちゃ……!」
「……もう止まんねぇの!こんな可愛い顔で煽っておいて、覚悟もしてなかったのかよ……っ」
わたしの髪をかきあげて、耳元で熱く囁く。
「他の男なんか見せない。……身体も、声も、全部、俺だけにちょうだい」
「……うん、っ……全部、平助くんに……」
首筋に甘噛みされながら、何度も奥を突かれて、息もできないほどに揺さぶられて――
「……やっ、もうだめ……っ!」
「だめじゃない。俺がいいって言うまで……もっと、感じて」
その夜、かわいかった彼はもうどこにもいなかった。
わたしを押し倒して、何度も果てて、欲望のままに繋がって――
「俺のものだ」って心も身体も刻みつけてきた。
そして、すべてが終わったあとの夜明け。
平助くんは、真っ赤な顔で、上目で囁いた。
「……ごめん、ちょっとやりすぎた……痛くなかった……?」
「ううん、嬉しかった。……平助くん、かっこよかった」
「……ほんと?ほんとに、そう思ってる……?」
「うん。かわいい平助くんも、かっこよくて激しい平助くんも……大好き」
彼はふふっと笑って、わたしの頬にキスをして囁いた。
「じゃあ……次も、もっと仕返しするね」