第17章 『嫉妬×独占欲』土方歳三編*
夜の屯所。
小雨の降る静かな廊下を歩いていると、部屋の前で土方さんが煙管を片手に立っていた。
わたしに気づくと、ふっと煙を吐き出して、低く言う。
「ちょうどいい、来い。……話がある」
「……は、はい」
彼の部屋に入るとすぐに戸が閉められ、背中を壁に押しつけられた。
そして、彼の声が耳元で震えるほど、低く囁かれる。
「……最近、俺以外の男と話すの、楽しそうだな」
「そ、そんなこと……」
「笑ってたな。沖田と、斎藤と。……永倉に触れてた」
「それはたまたま……!わたし、土方さんが――」
「黙れ」
いつも冷静で理性的な彼が、今夜は明らかに違っていた。
「言い訳するな。今すぐ、ここで証明しろ」
「な、にを……?」
「おまえの身体が、俺だけのものだってことだよ」