第16章 『嫉妬×独占欲』沖田総司編*
いつも優しい彼が、ぎゅっとわたしの髪を掴むようにして、口づけてくる。
そのキスは、深くて、強くて。
まるで、逃げられるものなら逃げてみろ、と言わんばかり。
「君が他の男に向けた分、全部俺に返してもらうから」
着物をはだけさせるその仕草ひとつひとつに、独占欲が滲んでる。
「こんなに可愛い身体……なんで皆に見せるの?」
「見せてない……っ、わたしは……」
「でも、君は鈍いから……ちゃんと、刻まないとわからないよね?」
沖田くんの指が肌をなぞり、舌が甘噛みするように、敏感なところを責めてくる。
「俺のものだって、身体に教えてあげる」
「っ……あ、あっ……」
深く、強く、身体を重ねながら、彼の瞳は熱くて鋭く、ずっとわたしだけを見ていた。
「……痛くない?でも、もう止まれないから。全部、受け取って」
「……うん、沖田くんに、全部、してほしい」
「……可愛い声。もっと聞かせて」
彼は甘く囁きながらも、腰を強く押しつけて、身体の奥まで何度も満たしてくる。
そして最後はわたしのお腹を撫でながら、静かにこう言った。
「君の中に……俺のもの、ちゃんと残したい。そうしたら、誰も君を奪えないよね」
「うん……わたし、全部受け止める……沖田くんがほしい……」
優しさの裏に秘めていた、狂おしいほどの独占欲と、本気の愛。
それを全部ぶつけられた夜――わたしは、彼に堕ちていった。
fin.