第16章 『嫉妬×独占欲』沖田総司編*
夕方の庭先。
新八さんにちょっとした稽古をつけてもらっていた時、ふいに背後から視線を感じた。
「ももかちゃんって、最近、あっちこっちの隊士と仲良しなんだね」
そう言ったのは――
いつも笑顔の、優しい沖田総司くん。
「う、うん……だって、皆さんいい人だし……」
「そうだねぇ。皆、君のこと大事にしてるし……特に斎藤さん、最近よく君を呼んでるし?」
「……それは、そうだけど?」
そのとき、彼の瞳がふっと笑みを消した。
「なんで俺のときだけ、''お兄ちゃん''みたいな扱いなの?」
「えっ……」
「俺、そんなつもりで君を見てたわけじゃないのに」
いつもの柔らかい声とは違う、
静かで、熱のこもった声。
そのまま、腕を取られて、彼の部屋へ連れていかれた。
「怒ってる……の?」
「怒ってないよ。ただ……我慢の限界」
部屋に入った途端、後ろから抱き締められて、
首筋に熱い息が落ちた。
「ももかちゃん、わかってる?俺がどれだけ、君を見てると思ってた?」
「沖田……くん……?」
「俺だけを見ててほしい。笑うのも、甘えるのも、触らせるのも、俺だけにして」