第11章 💙土方歳三ルート
『初めての添い寝編』
「俺の部屋、狭いぞ。……文句言うなよ」
ちょっと不機嫌そうに見えたけど、布団はきちんと二人分敷いてあって、お茶も淹れてあって……
そこには、土方さんなりの''おもてなし''が詰まっていた。
「気を遣ってくれてるんですね。……ありがとうございます」
「別に、当たり前だろ」
(ツンツンしてるのに、めちゃくちゃ優しい)
夜、布団に入って背を向けたままの土方さん。
だけど突然、ぐっと引き寄せられて、そのまま後ろから抱きしめられる。
「おまえ、誰にでもああやって笑ってんのか?」
「え……?」
「見てて、腹立った。おまえが他の男に気を許してんの。……だから、俺にだけは、特別な顔、しろ」
耳元でそんなこと囁かれて、身体が熱くなった。
「……俺もわかんねえんだよ。女にこんな風に執着したこと、ねえからな。でも……おまえだけは、離したくねえ」
照れ隠しなのか、土方さんはそれっきり口をつぐんでしまった。
でもその腕は、夜が明けるまで一度も離れなかった——