第45章 『好奇心×力』土方歳三編
「ももか……わかってなかったみてぇだな。俺が、どれだけおまえを我慢してるか」
「っ……土方さん……」
「力の差なんて、見せたら終わりだと思ってた。……でも、今夜は見せてやる。おまえが、二度と逆らえなくなるくらいに」
土方さんの唇が、指先が、いつもより強引に、甘く触れる。
そのたびに、わたしの身体はどんどん熱くなって、逃げようにも逃げられないまま――
「……っ、土方さん、もう、無理……っ」
「そうだろ。おまえがどんなに足掻いても、結局こうして、俺の腕の中で震えるだけなんだよ」
「っ……ひどい……♡」
「ひどいのはどっちだ。挑発してきたのは、おまえの方だろ?」
そのあとは、もう……何も抵抗なんてできなくて。
何度も優しく、でも確かな強さで抱かれて──
とろけるような口付けに、気づけば、涙さえ滲んでいた。
「……おい、泣いてんのか?」
「ち、違います……なんか、嬉し……くて……」
「……バカ」
土方さんが、そっと頬を拭ってくれる。
その手が、今さっきまであれほど力強かったなんて信じられないほど優しくて。
「……大丈夫だ。俺はおまえを傷つけねぇ。だけど……これからもずっと、"俺のもの"ってこと、忘れんなよ」
わたしはただ小さくうなずいて、彼の胸に頬を寄せた。
強さと、優しさで、全部包んでくれる。
その腕に、今日もわたしは抱かれて眠る。
fin.