第1章 目は口ほどに物を言う 金城/甘
『…でも小野田君は、今泉君や鳴子君と違って素直な子なんだし、予め対処法って言うか…それとないヒントを上げてれば、案外自分で対処できたんじゃない?まだ、ロード駆け出しの初心者にノーヒントじゃ、あんまりだよ。』
「……珍しいな。」
『ん?』
「お前がそこまで気にかけるとは…
──少し、妬ける。」
は?
……やける?
やけるって…妬ける?
Σ今、この人“妬ける”つった!?
『ΣΣうぇぇえ!?///』
聞き慣れない言葉に私は大袈裟に体を後屈させた。
「何だ、その反応は…ι」
『や、その…まさか金城君から、そんな言葉が聞けるとは思ってなかったから…反動、かな?』
挙動不審な行動に呆れたのか、金城君は額に手を当てると「…ハァ」と諦めるように溜め息をついた。
「……恥ずかしい話、“一年ばかりではなく、俺の事も気にかけて欲しい”…などと、最近よく考えている。」
『…なっ////』
まさかの、直球ドストレート。
「主将失格だな。先程、小野田一人に肩入れするなと言ったばかりだと言うのに。これでは部が成り立たない。」
眉を下げて困ったように笑みを浮かべる金城君。
って、ΣΣどんだけ真面目なんだ!!
こんな時ぐらい主将じゃなくても良いじゃないか!!
今度は私が頭を抱えそうになるが、そんな彼をも好いているのは自分だ。導き出した答えに意を決する事にした。
『…だったら、もう、私はマネージャー失格だよ。小野田君に肩入れしてるのは…金城君が気に掛けてるからだもの。さっきだって、彼が成長してると解ると…金城君、嬉しそぅだった。…だから、私…っ///』
──私が気にかけてるのは、ずっと金城君の事だけだよ?