• テキストサイズ

青春から惰性まで(ヒロアカ夢短篇集)

第2章 …punishment【※瀬呂範太】


で、どうなの、質問に答えてと追い打ちをかけられて、私は呼吸を整えながらゆっくりと答えた。

「嫉妬させちゃったり、心配かけちゃったり、嫌な気持ちにさせちゃうかなと思って…ごめん」

「ふーん、嫌な気持ちねぇ…」

衣擦れの音が聞こえると、シュッとテープを出す音が聞こえた。同時に、後ろでまとめられていた私の腕が、テープに巻かれる感覚がした。

「それ分かっててやったわけ?」

「待ってごめんって…正直に言ったよ!あとそれから、嘘ついてごめんなさい…黙ってアイドル推してたのも全部謝るから、瀬呂君が嫌なら、もう辞めるから!」

自由を奪われたことと、背後で彼がどんな顔をしてるのか分からない恐怖から、矢継ぎ早に謝罪が並ぶ。

しかし背後の彼の方は微動だにせず、代わりに大きなため息が聞こえた。
その雰囲気に恐怖を感じる。

「ほんとに、ごめんなさい…瀬呂君」

「その瀬呂君っていうのさあ…」

呆れた声が聞こえたかと思うと、大きな手が私の首根っこを掴んだ。

「あっ…!?」

「俺のことは苗字で呼ぶくせに、の推し?のことは『ハンくん』って名前で呼ぶじゃん。俺と似た名前ってのも癪だけど、他の男に女の顔してるはもっと癪だわー」

「…いやでも、『ハンくん』の『ハン』って苗字だから名前呼びはしてなくて…」

「そういうことを言ってるんじゃねぇんだわ。え、なに?この状況で余裕かましてんね、」

待って違うよと訂正しようとしたが、今度は両肩を掴まれて正面を向かされた。
マスクをずらした瀬呂君は、余裕のない顔をしているが、にやりと嫌な笑みを浮かべている。

「続きは後で嫌ってほどしてやるから、風呂入ってきたら?楽しんで、いっぱい汗かいたでしょ?」

遠回しに汗臭いと言われているようで、思わず顔に熱が集まった。

瀬呂君は引きつったように笑うと、あっさりとテープの拘束を外してくれた。少しだけ赤みを帯びた手首を撫でてると、「ほら早く」というように、脱衣所の方を顎で示した。

靴を脱ぎ、瀬呂君が変な動きをしてこないかよく警戒しつつ、逃げるように脱衣所へ入った。


/ 13ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp