第24章 ズルイヒト♭⑥
「レイジ、今までで一番、嬉しそうだから」
....戻り損ねてしまった。
そうか、アイアイにはそう見えてるのか。
「なら、良いけどよ」「...ふん」
そんな2人の返答も聞こえる。込み上げてくるなにかをグッとこらえて、そっと離れた。
今度こそ入れたトイレで更に赤くなったであろう顔を確認して、ふぅと息を吐く。
胸の内なんて、多くは語らない僕たち。だから、ああやって、口に出されると、気恥しい。
どこか、満たされない付き合いをしていた自覚はあるけど、皆も気がついていたんだろう。 甘やかすのも甘えるのも得意だとは思う。でも、ほんとの意味で甘えさせてくれる存在に、感謝している。
なんか無性に愛梨ちゃんに会いたい。
君から好きと言われた訳でも、ましてや僕だって伝えた訳では無いけれど、どうか両思いであって欲しい。
そう、強く思う。
今日のご飯会が終わったら、彼女に連絡しよう。
赤くなった顔をパンパンと叩いて、みんなの元に戻る。
ただいまー!とニコニコ顔で絡めば、また嫌な顔をされるかもしれないけど、今の僕ちんは無敵なのさ!言葉にしなくても伝わるけど、言葉にしなきゃいけない事もあるから。
残っていたグラスを空にして、オカワリを注文する。
限定デザートやちょっといいお肉なんかも追加して。
----その日の夜、愛梨ちゃんに連絡をした。
ちょっと懐かしいメンバーでご飯に行ったことを伝えたら、彼女も『懐かしい人』に会ったんだとか。
そっか~、良かったねぇ!なんて返事をしたけれど、全然良くなかった。
その真相を知るのは、もう少し先の話。