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【NARUTO】ごめんなさいから始まる物語【トリップ】

第2章 退院


俺は、少し困っていた。


火影様からの命令で彼女を見張るよう言われ、一週間が経過した。

だが、共に時間を過ごせば過ごすほど、彼女のことがよく分からなくなっていた。


初めは他国のスパイを疑ったが、どうもそのようには見えない。

彼女からはチャクラが全くと言っていいほど感じられないし、何より鈍そうで、何か目的があってこの里にやってきたようには見えない。


見知らぬ人間である俺がいようと全く動じず、いつも窓の外を眺めている。
ただ、その寂し気な目線は、どうも他人事のように思えなかった。

見張るという目的のためには、2,3日に一度様子を見に来ればいいだろうが、
俺は、目を離せば彼女がどこかへ行ってしまう気がして、こうして毎日通っていた。


(ただ、話を聞こうものにも一向に嚙み合わない…)


彼女は二ホンのトウキョウという場所から来たようだが、生憎そのような場所は誰も聞いたことがないと言うし、俺自身も聞いたことがなかった。

俺は、ここが忍の里で、自分は『はたけカカシ』という名であることを伝えた。


彼女は納得がいったのかいっていないのかよく分からない様子で、
とりあえず頷き、愛想笑いをしていた。


今は治療に専念しているが、退院したら火影様に今後の処遇を決めてもらう予定だ。


俺はそれまで、見張りを続けていればいい。



彼女は、見知らぬ場所に来てしまったと言う割には動じず、自分の運命を受け入れているかのように見えた。

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