【NARUTO】ごめんなさいから始まる物語【トリップ】
第1章 ごめんなさいから始まる物語
「二ホン…?トウキョウ…?
そのような場所は聞いたことがないな…」
東京と言えば世界でも有名な大都市だ。
今の時代、知らない人はいないだろう。
それに、彼彼女らが話しているのは口調は独特であれど日本語であるし、服も着物を模したもののように見える。
(この人たち、もしかして何か、犯罪の組織…?)
私は疑い始めていた。
ここは実は病院ではなく彼らのアジトで、私を騙して利用しようとしているのではないか、など、よからぬ考えが次々と浮かぶ。
「あの、ここはどこですか?」
「ここは、木ノ葉隠れの里にある木ノ葉病院だ」
木ノ葉隠れの里?木ノ葉病院?
そんな地名は聞いたことがない。
何処かの田舎の村かと思ったが、それにしても異様だ。
インターネットが発達した社会で生きていれば、このような独特の文化を持つ村があれば目に入るはずだ。
それに、そこそこ日本の地理に自信がある七海には、そこがまともな場所でないことは確かだった。
「…」
「はぁ…」
私が黙っていると、女性は大きなため息をついた。
「カカシ。ひとまずこいつはお前が見張っておけ。
特異なチャクラも感じられないし、この調子ではしばらく動けないだろう。」
女性が言うと、銀髪の男は返事をした。
「分かりました。この様子ですと、他国のスパイということでもなさそうですしね。」
「うむ。だが油断は禁物だ。しっかり見張りを頼むぞ。」
チャクラ…?スパイ…?
いよいよよく分からないことになってきたが、疑いだしたらキリがなさそうだ。
とりあえず彼らは私に危害を加えることはなさそうであることが分かった。
どうせ死に損なった私のことだ、と半ばヤケクソになる気持ちを抑え、
彼らの話が終わるまで黙っていた。
「何か不測の事態があれば私に伝えろ。
緊急であれば、私から里の上忍に指示を出す。いいな?」
はい、と、その場にいた人たち全員が返事をした。
「では、解散!」
女性の合図をきっかけにして、その場の人は去っていった。
窓から外へ出ていった者もおり驚いたが、「何が起こってもおかしくない」という半ば諦めの心境であった。
そして、銀髪の男と私だけが残った。