【NARUTO】ごめんなさいから始まる物語【トリップ】
第6章 再開
しばらくの間、気まずい沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのは、火影室から出てきたカカシであった。
「おまたせ」
後ろ手にドアを閉めながら、にっこりと笑みを浮かべこちらに声をかける。
「カカシさん…、もういいんですか?」
「うん」
カカシは笑顔のままそう答える。
火影様との話は終わったようだ。
「あれ、カカシ先生じゃねーか」
火影様に用があるとその場で待っていた青年が、カカシを見て驚いたように言った。
「シカマルがこんなところに…珍しいね」
シカマルと呼ばれた青年は、少し拍子抜けしたように七海とカカシを交互に見た。
「ああ、ちょっとな。それより…その女は連れか?」
「うーん…まあ、そんなところかな」
カカシは言葉尻を濁すように答えた。
「ふーん…」
シカマルはどこか納得がいかない顔をしていたが、小さくため息をついて火影室へと向かって歩き出した。
「それじゃ、オレは火影様に用事があるんで」
そう言うと、扉をノックして声をかけ、そのまま部屋に入っていった。
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「シカマルと何か話してたみたいだけど…知り合い?」
帰り路、カカシに声を掛けられる。
「あぁ、前に酔っ払いに絡まれていたところを助けていただいたんですよ」
七海は当時を思い出すように答えた。
あの時の青年は“シカマル”という名前で、カカシの知り合いらしい。
クナイを使ったことから、忍であることは薄々気づいていたが…。
「そう。忍でも、手荒な真似をする奴はいるから気をつけなさいね」
カカシはどこか心配そうに言った。
普段はほとんど忍としか接しないカカシにとって、七海は弱い存在なのであろう。
「心配してくださってます?カカシさん、優しいですね」
ふふ、と微笑みながらカカシを見ると、照れたように目をそらされた。
「別に、優しいとかじゃないよ」
普段は無表情な右目が、珍しく気まずそうに泳いでいた。