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【NARUTO】ごめんなさいから始まる物語【トリップ】

第3章 新生活


初出勤の日、私は柄にもなく緊張していた。

『木ノ葉病院』は私がお世話になった大きな病院で、
私は雑用係として雇われることとなった。

(なるべくきれいめの服を選んだつもりだけど…)

ここ数日で、何日か着まわせる程度のシャツとタイトスカートを手に入れた。
これは以前、会社勤めしていたころの私の制服だ。


「田中 七海と申します。
 これからよろしくお願いいたします。」

緊張はしていたものの、七海もいい大人であるので、落ち着いたトーンで簡単に挨拶をした。

一緒に働くナースや先生はとても人当たりが良く、私の身元も顧みず優しく接してくれた。

(ものすっごいホワイト…)

過去にブラック寄りのグレー企業に勤めていた七海は、以前よりもずっと良い環境で働けることに感謝した。


その日は一通り業務内容の説明を受け、定刻通り仕事を終えて帰路に就いた。


慣れない生活で疲れ切っていた七海は、今日は出来合いのお弁当を買って帰ることにした。


家に帰り、着替えを済ませ夕食をとる。


(ああ、幸せかも…)

一人でゆっくりできる時間を噛みしめ、
ここしばらく感じたことのない穏やかな空気を大切に夜を過ごした。


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私の仕事はと言えば、来訪者の対応や事務仕事、お茶出しなど、誰にでもできるような簡単な仕事だった。

七海はすぐに仕事を覚え、職場にも馴染んでいった。

カカシとはあれきり顔を合わせていなかったが、それが私の平和を証明するかのようだった。


(ずっと前からここにいたかのように、心地が良いな)

以前、そう、この世界に来る前よりも、私は私らしく生きることができているような気がした。

まあ、知り合いがいないことが寂しく感じないでもないが、火影様はじめ、里の皆のおかげで今の生活ができているため、わがままを言うつもりはなかった。

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