第2章 二度目の新生活
班長さんにメルクと呼ばれた子が視線を班長さんから黒髪の女の子へ移す。
あの子はメルクが苦手なのか、視線があった事で少し震えてるようだった。
「相変わらず泣きつくことがお得意のようで。リナリー・リー。」
「出ていけ。リナリーは任務から帰ってきたばかりで休んでるんだ。」
「私も同じですけどね。傷が痛むなら医務室、疲れてるなら自室に帰って休めばいいものを、多忙な科学班の時間を奪い慰められる事に益があると思えませんが。仕事しろよお前ら。」
うわぁ、キツイなぁこの子。まあでも言ってることは、少し一理あるんだよな。この子は効率を何よりとしてるだけ、なんだけど口が悪いから科学班と衝突するんだろう。
この子、何となく母様に似てるんだよな。
「メルクちゃん、リナリーちゃんが心配なのは分かるけどあんまり強い言い方しちゃダメだよ。」
「……心配、なんかしてませんよ?」
「心配してるでしょ。早く傷治して休めって言ったじゃない。不器用さんだねぇ。」
屈んで頭を撫でると顔を真っ赤にしてふざけるなって叫んで逃げてしまった。やっぱりツンデレさんだ、かわいいなぁ。
そんなメルクちゃんの反応に班長さんとかが少し驚いた表情をしてた。少しでも溝埋まるといいんだけど。