第9章 正体
マービンが私を庇ってリンク監査官と揉めたことで新本部とのゲートが開くまでマービン共々軟禁されてしまうことになった。
リンク監査官はアレンの監視の仕事があるからと代わりに仕切って見張るのはカミラ監査官。ベビーベッドを部屋に置いてくれたりとか授乳する時用に薄い毛布を用意してくれたりとかめちゃくちゃ融通効かせてくれて良かったけど、なんで私が中央庁の監視化に入らなきゃいけないんだろう。
クロムとかいう力のことを、クロスさんが中央庁に話したのだろうか。
「ウォーカーがゲートを繋げたと連絡が来ましたので、行きましょうか。」
ロビンは母様が見てるからと、マービンと一緒に連れて行かれた部屋には鴉の連中だけじゃなく、クロスさんとラビに、拘束されてるアレンもいた。
アレンが私とマービンを見て少し驚いたような顔をしてたけど、またクロスさんの方へ顔を向けた。
「マナは、14番目と関わりがあったんですね。」
「ああ。14番目には血を分けた実の兄弟がいた。14番目が自身の恋人を殺し、ノアを裏切り千年伯爵に殺される瞬間までずっと側にいた、ただひとりの人物。それがマナ・ウォーカーだ。」
「兄弟…、マナと14番目が。師匠はずっと前から知ってたんだ…?」
「知ってたさ、ずっと。俺は14番目が死ぬ時マナを見守り続ける事を奴と約束した。そうしていればいつか必ずクロムと共にマナの元に帰ってくるとお前がオレに約束したからだアレン。いや?14番目。」
アレンが、14番目?クロムって前にクロスさんが言ってた
私を抱きしめ泣き叫ぶ彼
泣かないで
そう言いたかったけど空気が漏れるだけで私は彼に何も伝えれなかった
この結末はきっと繰り返される
ごめんね ティア
ゴンッ