第8章 変わり行くもの
生まれるまであと1ヶ月半、お腹が張ることも増えてきて、軽く休憩しようかと食堂へマービンと向かってる時のことだった。
いつもは厨房の中にいるはずのジェリーが外でうろうろとしていた。
「あれ、ジェリー……なんか様子が変じゃない?」
突然、マービンの左腕にジェリーが噛み付く。明らかに様子が変だし、これまた室長がなんかしたんじゃ。
「っ、おまっ……!」
ジェリーに噛み付かれたとこから血が滲み出て床へ垂れる。
「マービン、血が」
「俺は大丈夫だ。…よく分かんねえが、悪いジェリー。」
マービンがジェリーの腹を殴ると壁に強く叩きつけられそのまま倒れ込んだ。
「えっ、マ、マービン、そんな力強かったっけ?」
「…また、話すから。今はとりあえず逃げるぞ。」
マービンの視線の先にジェリーと同じような状態の科学班の班員とか探索者達がいて、マービンが軽々と私を抱き抱えると反対へ走り出し、誰もいないことを確認してから適当な部屋に隠れた。
「100%室長の仕業だなこりゃ…。何しでかしてくれてるんだあの人は…。」
「そんなことよりマービン、腕出して。止血しないと。」
「大丈夫だ。もう血は止まってるから。」
袖をめくると強く噛まれた傷跡がゆっくりではあるものの、消えていってる。驚いて顔を上げたら、マービンの目が黒く染っていた。
「マービン、その目…。」
「ビックリさせちまったな。…俺の事、怖いか?」
「…は?」