第6章 走馬灯
私の、私のせいだ。
私が部屋で休んでたら、マービンが私を庇ってアクマに捕まらなかったかもしれないのに。
必死にマービンを引っ張るけど、引き抜けない。
「……てぃ……あ……にげ……にげ……ろ………」
「いや!いやだ!マービンと一緒に、ずっと一緒に生きようって、約束、したのに、また、約束が守れなくなっちゃう」
また、ってなんだっけ。だめだ、走馬灯を見たせいか、頭の中がごちゃごちゃする。
マービンを助けなきゃ。
ふわりと、誰かに抱きしめられる
助けたいなら、唄えばいいの
唄うって、なにを?
あの子と会えばいつか分かるよ、大丈夫、今は手伝ってあげるから
【アレンside】
マービンさんがアクマのウィルスで砕けて、それを呆然と見てるティアさんが、痛々しかった。早く、早く彼女を逃がさないと。
だけど突然、ティアさんの体が薄く発光しだした。かと思えば、彼女が唄を、あの子守唄を歌い出した
どうして、ティアさんが、あの唄を知ってるんだ。
いやそれよりティアさんを……レベル4が、止まってる。いや、違う。時間が、止まってるんだ。誰も動いてない。なのになんで、僕と彼女だけ。
ティアさんが歌い続けると砕けたはずのマービンさんの身体が元に戻っていく。
彼女は、一体…。
唄い終えると、レオナみたいに額に十字架が1つ浮かび瞳が金色のティアさんが、僕を見た。
マタネ
確かにそう言って彼女はマービンさんの隣へ倒れ込んだ。