第4章 揺れ動く
この書類の資料は…たしかあそこかな
3段ほどの足場使っても本の背表紙にギリ指が引っ掛けられる高さなのとギチギチに詰められていて中々取り出せない。
「ティア、取れないなら手伝おうか?」
「いや、大丈夫。もう少し……っ」
ズルッ
あ、やばい
「ティア!!」
ゆっくりとした浮遊感と棚から落ちてくる本が視界に移る。
やばい、かも。
床に落ちた感覚はした、けど、あまり痛くない。
目を開けたら視界の端に金色の髪が映る。
マービンが私を庇ってくれた?嫌ってるのに、なんで?
「ティア!マービン!大丈夫か!」
「ああ……大丈夫です…·いっ」
起き上がったマービンの額から私の白衣に血が滴り落ちた。
「マービン!」
「65号!マービンを背負ってくれ!二人を医務室に連れてくぞ!」
結果的にマービンは頭皮を3針縫う怪我をしてしまって、庇われた私は足首の軽い捻挫だけで済んだ。