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空を見上げた。

第7章 5。



と会う前に、複雑な気持ちを抱えながら夕日が沈み、薄暗くなり始めた空を見上げていた時、私はそう思いながら微かに口角を上げて微笑んだ。

その時の私はまったく余裕がなく、見上げた空に何の感情も抱けなかった。しかし、二人で時間を過ごした後に帰り道で空を見上げる時、どのような気持ちで見れるのだろうかと考えていた。

実際、今も私の胸の中にはさまざまな感情が入り混じって、頭の中は混乱している。

それでも私は夜空を見上げ、その美しさを感じた。微かに滲み始めた視界で瞬きを繰り返し、マントを持っていない方の手で目尻を拭った。そして、再び夜空を見上げた。

「ははっ…生まれて初めてだ。見上げた夜空がこんなにも美しいと感じたのは。そして、その事実がとても残酷だと感じたのも、初めてだ…」

私はそう呟きながら、片手を夜空に伸ばし、強く握りしめた。しかし、何も掴めず、当然ながら夜空に散りばめられた瞬く星を掴むことはできない。それでも、少しでも何かを手に入れたいと思い、再び胸元を強く掴んだ。

今、私の胸にはを抱きしめた時に感じた香り、感触、そして温もりが残っている。これから先、手に入れられないものは多いだろう。失うものの方が多いはずだ。しかし、の命までは失わずに済むのだと、自分自身を安心させるように言い聞かせている。

私たちにとって、今日という日はかけがえのない特別な日であり、新しい人生の始まりだと感じている。

そう思いながら、片手に持っているマントと手紙を一度見つめ、胸に抱きしめ直して深呼吸を繰り返した。マントからはわずかに埃っぽさを感じ、さらに、かすかにの香りが漂ってきたため、まぶたを閉じた。

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