第19章 17。

リヴとルアに視線を向けると二人は、繋いでいない方の手を強く握り締めていた。

「何一つ約束はできない。だから、こんなことをお前たちに頼むのは無責任だと思うが、もし母さんが泣いたときは、泣き疲れるまで泣かせてやってほしい。そばにいてやってほしい。そして、これからはお前たちも我慢や遠慮は一切するな。いいな？」
「「ゔっん…うんっ…」」

リヴァイさんの言葉の意味を二人が理解しいるかは分からない。しかし、二人が頷くたびに、幼いながらも真剣に話を聞き、受け止めようとする様子が伺えた。

そして、今もなお懸命に泣くのを我慢している姿は、非常に痛々しく健気に感じられた。本当は今にも泣き出してしまいたいと思っているかもしれない。

それでも、泣かずにいるのは、二人には今、涙を流すことより優先すべきことがあるのだろう。私はその様子を見て、滲み始める視界を何度も瞬きをして誤魔化した。

「…側にいることはできないが、俺は常にお前たちの『ここ』にいる。必ず『ここ』にいる」

すると、リヴァイさんは二人の肩に置いていた手を握り締め、大きな拳を作り、リヴとルアの胸を優しくその拳で叩いた。

「「…っんっ…うんっ」」

すると、いよいよ我慢の限界が来たのか、リヴたちは涙を流しながら何度も深く頷いていた。私とシイナは三人の姿を真っ直ぐ見つめ、目をそらすことができなかった。

「それなら、俺たちもいつも父さんのここにいる！」
「…っ！」

そしてその後、三人はしばらくの間、黙って見つめ合っていた。

それから、リヴは一瞬うつむくと、すぐに顔を上げ、空いている手の甲で目元を擦り涙を拭うと、何かを決意したような真剣な表情を浮かべた。

それから、小さな手のひらでリヴァイさんの大きな拳を包み込み、ルアとつないでいた手を放し、小さな拳を作り、同じようにリヴァイさんの胸に当ててトントンと数回たたいた。

そして、ルアも同様に涙を拭い、真剣な表情を浮かべ、空いている片手でリヴァイさんの拳を握りしめ、もう一方の手で拳を作り、リヴァイさんの胸に当ててトントンと数回たたいた。

その瞬間、リヴァイさんの瞳は大きく見開かれた。そして、彼は一度まぶたを閉じ、その小さな二つの拳を大きな片手で優しく包み込んだ後、安心したように少し微笑み、深呼吸をした