第19章 17。

リヴァイさんは二人から真っ直ぐな視線を受け止め、一瞬小さく眉をひそめた。それから、何度も深呼吸をして静かに席を立った。

すると、二人は父親の行動に不穏な空気を感じ取り、再び顔を見合わせ首を傾げた。二人はこれから父親に言われる言葉をどのように受け止めるのだろうか？どんな感情を抱くだろうか。

私はそんなことを考え始めるが、今この時間の主役は私ではなく、父親と息子という男同士の貴重な時間だ。

ただ静かに見守ることしかできず、それが今の私にとって最善の行動だと、自分に言い聞かせた。

「リヴ、ルア、こっちに来い」

そして、リヴァイさんは真剣な表情を浮かべ、意を決したように、静かな声でリヴたちに話しかけた。

すると、二人は一度顔を見合わせ、首を傾げながら頷き、恐る恐る席を立ち上がり、手をつないでリヴァイさんのそばに近寄った。

リヴァイさんは近寄ってきた二人の目線に合わせて片膝をつき、しゃがみ込むと、何かを言いかけては口を閉じることを繰り返していた。

その姿にリヴたちは再び首を傾げながら、静かに言葉を待っていた。

それでも、リヴァイさんは意を決して二人と向き合ったが、考えがまとまっていないのだろう、何度も口を開こうとしては噤んでいる。

そして、そんな自分自身に苛立ちを感じているのか、強く手を握りしめていた。それでも、貴重な時間を無駄にはできないと感じたのだろう。

一度まぶたを閉じてから開き、二人を真剣な表情で見つめ、そして静かに口を開いた。リヴたちは、自分たちを見つめる父親の表情や瞳にただならぬ雰囲気を感じ取ったのだろうか、背筋を伸ばしていた。

「ルア、お前は俺の息子だ。シイナも俺の娘だ。血が繋がっていようがいまいが、関係ねぇ。お前たちは俺の家族だ。リヴ、これまでお前には寂しい思いをさせてしまったな。俺にも責任がある、母さんだけのせいじゃねぇ。すまなかった」
「「うん…」」

リヴァイさんはまず最初にルアにそう言い、一度、シイナに視線を向け再び二人に視線を戻して向き直った。

リヴァイさんの口から発せられる言葉は全身から絞り出しているように感じられ、彼の声には切なさと痛々しさが滲んでいた。