第17章 15。
今日は良い天気だ。いや、最近の天気は晴れが続いており、俺の心の中にもこれまでに感じたことのない余裕と穏やかさが広がっている。の生死がはっきりし、どこに住んでいるのかも分かった今、思うことや考えることはたくさんある。それでも、それを見て見ぬふりをする事はできないし、するつもりもない。
何年も、愛し続けてきた。探し続け、思い続けてきた。そんな日々の中で、時には何もかも放り出して逃げ出したくなることもあった。そんな、自分の情けなさを痛感し、呆れて日々を過ごしてきた。
あの日、エルヴィンとハンジからの話を聞いたとき、自分が求め望み続けていた真実が想像以上に大きなものであったことに驚きと戸惑いを隠せなかった。その事実を受け入れ、整理するのに今日まで非常に長い時間がかかった。
それでも、俺の成すべきことは明確で、すぐにでも行動に移したかった。しかし、自分のことを簡単に最優先にできるほど暇ではない。現在の俺は、と常に共に過ごしていた頃とは立場も境遇も大きく異なっている。
そのため、に会いに行くには、何の憂いもなく、誰にも文句を言わせず、大手を振って会いに行きたい。そう思いながら気持ちを切り替え、負傷した片足が完治しない中で、自分にできることを必死に考え、行動に移してきた。
そして今日、さまざまなことが一段落し、エルヴィンに無理を言って休暇をもらった。
きっと、俺が会いに行けば、の抱えている不安を増幅させるだけだと理解している。それでも、この先その不安を一人で抱えさせるつもりはない。
文字通り「死ぬまで」不安や恐怖心を抱かせる中で幸せにする。「本当に幸せにできるのか」と問われれば、即答できない。
それでも、もう手放せない。手放したくない。抱きしめて温もりを感じ、声を聞き、涙を拭って…自分なりにできる限りのことをするつもりだ。
実際、何度考えても、が考えていたことは理解できない。「俺を守るため」と言われても、「余計なお世話だ」と言いたくなる。がいない世界など必要ない。俺の世界は「自身」なのだ。