第3章 第一章幕 天女編
三人の男たちはその様子を見合い、お手上げだというように肩をすくめた。
「小頭、こうなった組頭は意地でも聞きませんよ。どうするんですか?」
高坂陣内左衛門が、小さな声で山本陣内に耳打ちする。山本陣内は深々とため息をつき、わずかに首を振った。
「どうしようもないだろう」
そう呟くと、しばし蓮を見つめる。その姿は、風に揺れる影のように淡く、それでいて確かにそこにあった。蓮は、なおも静かに立ち尽くしている。何を言われても、何をされても、ただそこにいる。まるで、沈黙そのものが彼女の存在の一部であるかのように。