第13章 ハッピーバレンタイン
少しの沈黙の後
「おいひい笑」
そんな照の声に顔をあげると
嬉しそうに笑う照と目が合う…
でもそんな嬉しそうな照から
また目を逸らし
「美味しい訳ないじゃん…
見た目からして不味そうだもん…」
そうぽつりと呟くと
「確かに見た目はあれだけど…
味はめっちゃ美味しいよ…?
味見してないの…?」
そんな照の素直な感想に
「だって見た目これだし…
怖くて味見出来なくて…
でも…なんでわかったの…?
チョコもう一つあるって?」
そう問いかけると
照はひひって笑いながら
「だって部屋中からチョコの甘い匂い
してるじゃん笑
それにその手…
傷だらけなの
チョコ作ったからでしょ?」
そう言って私の左手に優しく触れる…
こんな時
自分の不器用さが悲しくなる…
切り傷や火傷で絆創膏だらけの
痛々しい左手を
見つめながら下を向くと
「チョコ…味見してみる…?」
そんな声がして
照の顔が近づいて
私の唇にふわりと優しく唇が触れる
甘いチョコのかけらが照の口から
私の口に流れ込んで
熱で溶けて甘く広がる…
「ほら…美味いでしょ?」
そう言って少しだけ唇を離し
息が掛かる距離で囁かれる言葉に
クラクラとめまいがする…
「チョコ作ってくれてありがとう…
甘いチョコのお返しに
今日は〇〇を
甘くナカシテあげようかな笑?」
そんなチョコより甘々な照の言葉が
その夜しっかり有言実行されたことは
二人だけの甘い秘密です笑
〜end〜