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【黒執事】銀髪の男とステップを

第4章 恋人2日目


「さて……」

あとは着替えるだけなのだが、大事なお客が来るというのに昨日の華やかなドレスを着ているのもおかしい気がする。もっとシンプルな服が他にあればいいのだが…。

「どうしようかな…」

「服ならこれでどうだい?」

少し驚いて後ろを振り返ると、そこには支度を終え、ロリータを持った葬儀屋がたっていた。
なぜ自分の考えていることが分かったのか聞きたいところだが、それよりもリリスは服に目線が動いた。

ウエストの辺りでドッキングになっていて、上は白のブラウスに下は薄くストライプ模様の入った膝下ぐらいまでの丈のふんわりとしたハイウエストスカート。
胸元にある黒の大きなリボンタイが目を引く。

「うわぁ…かっわいいっ〜〜〜!」
キラキラと目を光らせるリリスを葬儀屋は愛おしそうに眺める。

「気に入っていただけたかな?」

「うん、もちろん!シンプルイズザベストってやつだ」

「ヒッヒ…お気に召したようで何よりだよ。小生は店の準備をしているから、着替え終わったら小生のところにおいで」

「分かった、ありがとう!」

パタンと扉を閉め葬儀屋は部屋から出て行った。

リリスはウキウキとしながらロリータに腕を通していく。昨日着用していたミニパニエを履くと、さらにふんわりと可愛くなった。

リリスは鏡に映る自分と顔を合わせると、さらに嬉しそうに微笑んだ。

「うん、我ながら可愛すぎて心配になる」

鏡の中の自分にそう告げる姿は、葬儀屋に見られでもしたら大爆笑されていたことだろう。いなくてよかった。

リリスはくるりとターンすると、服との摩擦によって少し乱れた髪をサッと整え、葬儀屋のいる場所へ向かった。

扉を勢いよく開け、弾んだ足取りで葬儀屋の元へ駆け寄り、着替え終えた自分の姿を見せた。

「なかなか似合ってるじゃないか。今すぐ棺桶にいれて保管してあげたいぐらいだよお…ヒッヒッヒ…」

「あはは…遠慮しておくよ」

リリスは床に置いてあった棺桶に腰掛け、葬儀屋と談笑する。

「そういえば、今日大事なお客さんが来るって言ってたよね。そのお客さんは生きてる人なの?」

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