お掃除係は生き方を決めている【進撃の巨人】【リヴァイ】
第4章 なぜかわからないけど
目を開けると、ぼんやりとした視界のなか、誰かが近くにいることがわかる
だんだん視界が定まってきて、その人物がリヴァイ兵長だと気付いた
兵長と目が合う
(ここどこだろう、確か私倒れて───)
何から聞こうかと考えていると、リヴァイ兵長の顔が近くにきて
唇が重なった
顔が離れて、しばらく見つめあった後抱きしめられた
何も聞けなかったのは、兵長がどこか懇願するようで、悲しげな表情だったから
「へ、兵長……………」
「…………お前が、階段で倒れて。俺の部屋が近かったからひとまず連れてきた」
リヴァイ兵長に抱き締められてるままなので表情は分からない
兵長が体重を預けて来たので、二人してベッドに寝転がる形になる
「あ、ありがとうございます。また運んでもらっちゃったんですね」
「……………………………………」
「一週間療養しろ、これは命令だ」
「分かりました、何回もお世話になって申し訳ないです」
兵長はまだ私を抱き締めたままだ
さっき妙に幼い表情をしてた兵長を放って置けなくて、抱き締め返した
(それにしても、体がっしりしてるな)
細身に見えるが筋肉が詰まってることがわかる
視界の端に、机の上に書類が散らばってるのが見えた
(兵長、疲れてるのかな…………)
兵長の頭に手を乗せて言う
「このまま寝ましょう。私も、もう眠くて意識が飛びそうなんです」
「………………………………あぁ」
10分も経たないうちに兵長は眠りに落ちた
(………流石にちょっと重いから降ろそう)
私の体に乗っかってた上半身を退けて頭を枕に乗せる
(私も、もう夜で眠いし。貧血の状態で動きすぎたから気持ち悪いな……)
兵長の隣でうつ伏せになる
(あと5分、いや10分経ったら自分の部屋に戻ろう)
そう考えて目を閉じた