第1章 HappyBirthday〜2025.12.25〜
「カンパーイ!!!」
カチン!とグラスの音を鳴らしお酒を一気に呷ったユキは始終暗い顔をしていた。
それもそのはず。
本当だったら今日はリヴァイと過ごしているはずだった。
そしてどこぞの貴族の令嬢のせいで一人寂しい夜を過ごすハメになった。
けれどそんな自分を見かねてか、入浴を終える見計らったように同期の子たちが急に飲みに行こうと誘ってきたのだ。
特に用事もなく、一人で過ごすくらいならとあたしは二つ返事で了承した。
そして連れてこられたのは最近できた酒場。
木の匂いや、控えめのランプがお洒落な雰囲気を醸し出していて巷でも有名なお店らしい。
自棄酒してしまったがこの場には相応しくなかったかなとそっとグラスを下ろ一息ついた…
そうなれば考えるのはリヴァイの事ばかり。
この時間ならきっと会場に到着してるだろう。
美味しいご馳走やお酒、キレイな人に囲まれて酔いしれてるのだろうか?
いやでも何時ぞやか言っていた。
夜会ほど神経を削られる場はないと。
はぁ…と重いため息をついていたら目の前にいる親友が話しかけてきた。
「そんな暗い顔してちゃせっかくの誕生日が台無しよ?そんなにリヴァイ兵長が気になるの?」
「・・・・気になる。気になって仕方ない。あたしが一番最初におめでとうっていいたかった。・・・・うぅ・・・」
今度は悲しくなってきた。
リヴァイ兵長の想いが止めどなく溢れて涙となって出てくるなんて重症ではないか…
でも好きなものは好きなのだからどうしようもない。
「兵長ぉ〜・・・・・・・・大好きです・・・」
「ちょっとちょっと酔っ払うのはまだ早いから。まだ料理も運ばれてないのに潰れないでよね」
まだメインも来てないのに早くも口をつけるお酒の味に慣れなくて、突っ伏したまま兵長に愛を囁いていた。
もうぐでぐでだ。
でもふとユキは、あることを思い出して顔を上げた。
「ねぇ、そう言えばさっき言ってたことってどういう意味?」
「ん?さっきって?」
「ほら、兵長があたしを見る目が優しいとかなんとか」
「ああ、あれね。」
お酒に少しずつ口をつける親友は最初何のことだ?という顔をしていたけど、あたしが詳細を話すと思い出したかのようにニコリと笑い口を開いた。