第1章 HappyBirthday〜2025.12.25〜
今こいつはなんて言った?
「・・・・・本気か?」
コクン、と相変わらず顔を赤くして、だが俺の問いに間髪入れずに力強く頷いたユキを目の当たりにして都合の良い夢ではなかったと思い知る。
「あたしを・・・・・兵長のものに、してください」
願ってもない言葉だ
言われなくても今夜はユキを抱くつもりだった
健全で色気を見せたことがないユキから聞く言葉はどれも度肝を抜かれるものばかりだ。だが、据え膳食わぬはなんとやらだ。
「・・・・・いいんだな?」
「・・・・は、い」
少しだけ震えているユキの体を起こせば、乱れた髪と頬を赤く染めている彼女の顔がよく見える。
そっとその頬に触れればビクッと肩が跳ねて思わず苦笑した。
「おいおいおい、積極的な割には随分初心な反応するじゃねぇか。」
「う、初心ですもんっ…!なんせ、は……ハジメテ、なので・・・・・」
「んなの見てりゃわかる。ちなみに聞くが、これから俺達が何をシようとしてるかくらいわかるよな?」
コクコクと、壊れた人形のように全身固くして頷くユキに本当に大丈夫か?と思ったが、それなりに知識があるという事を知れば少しだけ安堵したが、
初めてだというユキの覚悟をもう一度確かめたかった。
「ユキ」
向かい合う男女の姿が月明かりの中、重なるように影法師を作る。
リヴァイはユキの名を呼ぶと両手を広げた。
「へい、ちょう…?」
「お前と出会う前から俺はいい生き方はしてないしこの手は血まみれだ。正直、抱いたら俺はもう、今以上にお前を手放すことはできないだろう。それでもいいなら来い」
―――俺に一生繋がれる覚悟があるなら
そう・・・・・言われてる気がして、怯むどころかあたしの決心は固まり、あなたが言い終わるや否や、吸い寄せられるようにその逞しい胸に飛び込んだ。
「はい!」
飛び込んだ瞬間すぐにリヴァイ兵長はあたしをその腕に閉じ込めて、強く、強く抱きしめてくれた。
襟元から香る不快な匂いを掻き消すようにグリグリと頭を押し付ける。すると首筋からほんのり香るのは、少しの汗に交えて広がる大好きな貴方だけの香り。
今までの関係性さえを埋め替えることができるこの距離を、
心さえ繋ぐ事ができるこの温もりを、
一生与えられるのはどうか・・・・あたしだけであってほしい。
