第1章 HappyBirthday〜2025.12.25〜
聞きたいこと?
ユキが、俺に…?
「何だ」
身動きが取れないユキをこの手で捕まえて聞き返せば、顔を強張らせ俺を見上げる姿がそこにある
それに比例するように俺の機嫌は急降下する
どうにもさっきの光景が頭から離れないからだ
ユキの前向きで花のようにはにかむあの笑顔に俺は心奪われた。その笑顔をずっと見続けたい為に側に置くことを選んだのに、今のユキは少しだけ怯えていて心なしか肩が震えているように思えた。
ここまでくるともう、聞きたい事と言うのは甘い雰囲気になるものではないと言うことをリヴァイは悟った。
そして案の定ユキから言われた質問に背中が凍りついた
「・・・・兵長は・・・今まで厄介だと言っていた夜会に参加する目的って・・・・・・令嬢と一夜を共にする事だからだったんですか?」
これでもかというほど目を大きく見開いたリヴァイは、ユキからの質問にすぐには即答することが出来なかった。
まず・・・俺たち幹部が資金繰りを賄うために貴族と寝ることは下級兵が知ることはない。
そしてユキの言っていることは紛れもない事実。
兵団存続のために体を張って接待しているとは言っても人によっては聞こえの良いものでない。
何より恋人の口から直接言われて返す言葉もない。
一人の男として、ユキの恋人として、不特定多数の女と関係を持っていた男を穢らわしいと思ったのだろうか。
ユキは俺から離れてしまうのか。
そんな不安が一気に押し寄せていたからだ。
「・・・・それは・・・・」
「やっぱりホントだったんですね。」
悔しそうにぐっと唇を噛んで見上げるユキの顔は今にも泣きそうだった。違う。そんな顔をさせたいんじゃない。
俺は…
「・・・・・今日も、誕生日パーティとか言って、令嬢と楽しんできたんですか?」
「違う!」
珍しく声を荒げ否定の言葉を顕にした。だがそれでもユキの悲しそうな表情は覆ることはない。
「だって言ってたもん!兵長や団長は、兵団の為に多額の資金を得るために貴族の女と一夜を共にするって!」
「・・・・・・・・・あながち間違っちゃいねェが今はもうそんな事シてねェよ」
「・・・・それは・・・・ッ、前まではシてたって事のようにも聞こえますよっ」
そう言いながらとうとうユキは泣き出してしまった