第1章 HappyBirthday〜2025.12.25〜
令嬢との時間を早々に終わらせて夜の誘いも断ればすぐに馬車に乗りユキのもとに急いだ。
だが兵舎につき、部屋に入ってもユキはいなかった。
時計を確認すれば深夜を回っていたから寝てるかと思い反応のない部屋を睨み踵を返そうとしたら兵長!と奥から声をかけてきたのはユキの親友の女だった。
「兵長!よかった!帰ってきてくれて…っ」
「どうした。何かあったのか?」
息を切らして話す内容に耳を疑う。
俺との寂しさを紛らわすためやけ酒したあげく、知らない男たちと飲み直すためについて行っただと?
あいつはいつからそんな危機管理能力がない女になったんだ?
いや、待てよ。あいつは酒を飲んでるからもしかしたらそれが原因で隙だらけになっているのでは?
ちっ…と大きな舌打ちをしてユキの親友にどっちへ行ったのか聞けば案外その場所はすぐに見つかった。
どう見ても女を買うようなそれに似ているこの店は、中に入るとカウンターには度数が強い酒がいくつも並べられていた。この酒を飲ませて女を再起不能にして宿に連れ込んでまわす映像が容易に想像できる。こんな悪意しかない輩共にユキが好き勝手されると思うと今すぐ削ぎ落としたい激情に駆られる。それと同時に沸き起こるのは怒りだ。
「何故あんな野郎共にのこのこついていった?」
「の・・・のこのこって、わけじゃ・・・・」
「酒が飲みたかったのか?あいつらと一緒に話したかったのか?それとも俺に飽きたか?」
「ちがっ!そんなことあるわけないじゃないですか!!怒りますよ兵長!!」
「怒りてぇのはこっちだ。たしかに俺がいない間お前がどこで何をしてようが自由だ。だがな、浮気はバレねぇようにやれ。気分が悪い。」
どうしてそうなるのだろうか。あたしが浮気なんて絶対するはずないというのに。そんなに男たちと一緒にいることが嫌だったのだろうか。
もしかして、これは嫉妬なのでは…?
「・・・・・・・・何ヘラヘラしてやがる。」
嫉妬だと思うとこんなに嬉しいことはない。普段のリヴァイから愛の言葉やスキンシップなど皆無だったのにいきなり素直に感情をぶつけられると戸惑うを通り越して嬉しくて仕方ない。それにしても浮気はパレないようにという言葉がどうにも引っかかる。そこでようやくハッとした!!
「兵長!あたしも兵長に聞きたいことがあります!」
