第1章 HappyBirthday〜2025.12.25〜
「ユキちゃんっていうの?可愛い名前だね」
「ありがとうございます。あの…本当にいいんですか?こんな高そうなお店おごってもらっちゃって」
「いいのいいの。俺等が誘ったんだから当然でしょ?ほら、こっちも飲んでみなよ?飲みやすいと思うよ?」
いかにも高級そうなお店に足を踏み入れると上質なソファとテーブルが用意された席に案内されてワインを嗜んだ。
これまた初めて飲むお酒の味に、この高級そうな雰囲気があってはものすごく美味しく感じた。
そして一緒にいた男の人が飲みなよと勧められた茶系の色をした酒が小さいグラスに入って目の前に置かれた。
「わぁ……キレイ。なんだかアイスティーみたいな色ですね。ほんと飲みやすそうです。」
手にとってまじまじと見るそれに鼻を近づけたら少しだけ紅茶の香りがした。
紅茶好きの兵長が好きそうな味なのかもしれないと思った。
いつでも自分の頭を占めているのは大好きなリヴァイ兵長のことばかりだ。
少しの彼との接点が、警戒していた距離を縮め気持ちが少しだけ和らいで、飲んでみようという欲求に駆られた。
兵長のことばかり考えていたから気づいていなかった。
あと、
酒の効力で思考が正常じゃないのもあったのかもしれない。
男たちの厭らしい視線に気づけなかった。
「いただきます」
そっと口をグラスに近づければ隣の男たちのゲスな笑み。
それに気づけないまま、茶色い液体が口に含まれそうになった瞬間、
あたしの視界に影がさした。
そして次に、持っていたグラスが弾かれ地面に転がり、パリン、と陶器の割れる音が店内に木霊した
一瞬
何が起こったのか分からなかった。
「おい、こんな所で何してる。」
だって、
いるはずない。
友達の話では、今頃令嬢と一夜を共にしているのでは?
「ユキ」
次に聞こえてきた愛しい声に、下を向いていた視線が上がり、あたしは凝視した。
「リヴァイ・・・・兵長?」