第1章 HappyBirthday〜2025.12.25〜
「それは、どういう……まさか……」
「そのまさかだ。俺には恋人がいる。だからアンタは抱けない。俺がアンタを抱けばそれは立派な浮気になるんだろ?俺を行かせないんだろ?そういう事だ。」
俯く女を一瞥して今度こそ部屋を出ようとする。
本人から浮気は許せない、あり得ない、と言質を取ったのだ。
これで理解してくれるだろう思っていたが、俯いていた令嬢からとんでもない言葉が発せられた。
「・・・・・バレなきゃ、いいのではないですか?」
「・・・あ?」
涙目で勢いよく顔を上げる令嬢から浮気はバレなきゃ浮気にはならないと理解に苦しむことを言われた。
「リヴァイ様が黙っててくれれば関係を持ったって、あなたの恋人にバレる事はありません」
「正気か?」
「いいではないですか。貴方みたいな方に愛人の一人や二人いたって…ッ、それほどあなたが魅力的だと言うことでしょ?」
愛人に成り下がろうとする言動にもはや返す言葉も出てこない
常識に欠ける
「とてもいい家柄の令嬢の言葉とは思えねェな」
これ以上話しても平行線だ。時間が無駄なだけだ。
とりあえず帰る理由を知りたいと言われ教えたのだからもうここには用はないだろう。
いい加減部屋から出たいリヴァイは今度こそ帰路につこうと退室しようとするが、負けずと後ろを女が追ってきた
「その方がどれだけリヴァイ様の心にいるかわかりませんが、私なら彼女にできないことができる。富も名誉も資金だって、貴方が望むもの全て与えてあげることができます。
だから・・・私に時間をください!」
ピタリとリヴァイの足が止まった
「へぇ、そうか。なら貰おうか。俺が今、一番欲しいもの」
「―はい、何なりと…!」
頬を赤らめる令嬢は、きっと俺が今この誘惑に乗って何か言うとでも思ってるのだろう。
勘違いも甚だしい
お誂向きだと言わんばかりにここまできたらこの女に引導を渡してやる
「それは————………」