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君と悪循環を抜けるために私にできること

第1章 未来との邂逅


身を隠していた稀少体を見つけるのは簡単だった。夜梟が未来を知っているのだから。
「アンタたち、いつの間にそういう関係だったの?」
アニタが呆れたように煙草をふかす。
俺は知らない、と逃げ出さないように縛り上げられたアレックスが唸る。
「そもそもアレックスをココに居させてダイジョウブなの?」
煙を夜梟から遠ざけながらトゥリが問うと女は頷いた。
『私がいる限り豹斗鷹も本来の夜梟も表出できない。私は常に一人だからだ』
「しかしアンタも夜梟……でいいんだよな?他の呼び方はねえのかよ」
『ここで名乗ってしまって良いものか……鶏と卵か。アレックスはと私を呼ぶ』
「俺は知らん」
「その口振りではその体の名前ではないということか」
ブレイクが検品するように女の体を見つめる。稀少体でもなく、普通の人間のようだが。
『これは私の体だ。アレックスと家族になり、次世代の子を産み成すための』
「えっ、じゃあその体から出たらどうなるの!?」
『私の魂は最早この体に固着しているため憑依は不可能だ。それに私一人の体ではない』
腹を撫でるのを見てドニは頬を赤らめる。後付けでも妙齢の女性に憑依されていたのだと認識すると恥ずかしくなってきた。
「そもそも俺は家族を望んでないし、仮にそうだったとしても化け物を相手にするつもりはない」
「まあまあ、妖精さんに失礼よ」
ベティがたしなめるがアレックスは聞く耳を持たず今にも夜梟の腹を殴りそうだ。
庇おうとするジュリーに夜梟は大丈夫だと肩を叩く。
『私に危機が及んだ場合、未来のアレックスが私を守るために文字通り飛んでくる』
「気色悪いことを言うな!」
確かにと一同は同意した。
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