第1章 未来との邂逅
で、と割りきりの良いアニタが話の矛先を変える。
「次は何しろって言うんだい?」
「ええと、話を纏めると今の時代の夜梟の体を作る事とアレックスに復讐を諦めさせるって事かな?」
『その通りだドニ。前者は君とブレイクに任せる』
俺たちに、とブレイクいぶかしがるが夜梟はいくつかのヒントを二人に伝えた。二人には知識と組織、実行力がある。
「しっかしボディはともかくお前さんにアレックスを振り向かせる魅力があるとは思えねえなあ」
『案ずるなエド。アレックスの求めているものは既に理解している』
「未来の彼に聞いたのね」
ただそれを今のアレックスが受け入れるかどうか、と縛られている彼を見る。完全に手負いの獣状態だ。
しかし夜梟もといは胸を張ってアレックスは大人しく私との共闘生活を再開すると宣言した。
『何故ならば私がそばにいなければ稀少体としての能力は使用できないし、私はアレックスから注がれた愛情の実体験を開示することも可能だ』
「羞恥プレイじゃん」
「イイネ、トゥリ聞きたいよ」
「ふざけるな!!!」
アレックスが右手で血の銃を作りわざと暴発させる。その勢いでに体当たりをしようとしたが血はあっという間に拳状になってアレックスに返ってきた。
「グハッ!」
「いいカウンターだな!」
「今の……アレックスが自分でやった?」
他の誰も能力を使っていない。夜梟を見るとそうだと肯定する。
『未来のアレックスからの干渉だ』
怖、と呟いたのはアニタかドニか。どちらにせよアレックスは未来に呪詛を吐く以外なかった。