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真っ直ぐに歪んで【文スト/短編集】

第1章 それでも君は、【太宰治】


冷たい。


寒い。




肌に直接あたった冷風に唇を震わせる。




目が覚めた時に、


目の前が暗闇に染っていた事、
座らされた状態で腕が頭上にあることから、
視界が奪われ手首も拘束されているのだと分かった。



それから、
おそらく自分は何も纏っていないのだ
ということも文字通りの肌寒さから容易に判断できてしまった。






昨日の報復か。
仕方ない。






このような状況でそんな事、
思いたくもない。




だがしかし戦闘が耐えない場所に、
ポートマフィアに身を置くというのは
つまりはそういうことだった。




常に危険が足元を這いずりまわり、
少しでも足を止めれば死の世界だ。





逆に言えば、


身ぐるみを剥がれ
拘束され
視界を奪われている

"だけ"で

済んでいるのだからいいじゃないか。




何を吐かせたいのか
はたまた何を施したいのか分からないが、
拷問には慣れている。



だから早く、







敵が出てきてくれさえすれば_






刹那だけ、
殺意が出てしまった時だった。
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