第26章 事変
それからだろうか。
野薔薇ちゃんは変わった。
沙織ちゃんの影響なのか、口調も柔らかくなってたぶんきっと品のようなものが身についていったんだと思う。
男勝りな口調から「そう"よね"ー」とか「そう"かしら"」とか。
服装だって女の子らしいものを好むようになって、私の長い髪の毛をいじってアレンジし始めたりして。
最初は戸惑ったけど、そんな野薔薇ちゃんを見るのも好きだった。
人の影響ってすごいなぁ。
こんなに変わるもんなんだ。
前の野薔薇ちゃんも好きだけど今の野薔薇ちゃんも好き。
いいものはいい、悪いものは悪いと言える。
そんな野薔薇ちゃんが好き。
沙織ちゃんが好き。
優しくて温かくていつも笑って迎え入れてくれる。
そんな2人が私は大好きだった。
私と同じ余所者の沙織ちゃんだけど、私と沙織ちゃんは何もかもが違いすぎた。
だけどそれを妬んだりなんてしなかった。
私は―――しなかった。
それから少しして。
沙織ちゃんの家の様子がおかしくなった。
ゴミとか落書きとか、明らかに人為的に積まれた雪とか。
立派なお家が不気味に見える位。
村の人たちが沙織ちゃんを仲間外れにした瞬間だった。
村には不釣り合いなほどの豪華な家が、彼らの癇癪を買ってしまった。