第2章 Ⅱ*リヴァイ・アッカーマン
ハンジから譲り受けた包み紙を懐に忍ばせて、虎視眈々とリヴァイを狙い続けていた。
しかし隙が与えられることはなかった。
痺れを切らしたは、とうとう実力行使に出る。
深夜を待って、リヴァイの寝る部屋へ忍び込んだ。
音を立てないよう静かに扉を開き、リヴァイのベッドの前で足を止める。
懐から薬を取り出して、水とともに自分の口に含んだ。
寝ているリヴァイの鼻を摘んで、口を開いた所に自身の唇を近づけた筈だった。
の身体は反転していた。
口の中に含んでいたものは、驚きのあまり飲み干してしまった。
『あ!』
「あ、じゃねぇ…」
自身に馬乗りになり、両手を抑えつけているリヴァイが目に映っていた。
「おい痴女…てめぇ何してやがる…」
『の、飲んじゃった。ハ、ハンジ…』
「クソメガネがなんだ」
『いや、薬、飲んじゃった』
「さっきから何を言ってやがる」
『ハンジのところに…』
は自身の身体が、徐々に熱を帯び始めている事に焦りを感じていた。
そんなの意味不明な言動が"薬"からくるものとリヴァイは理解した。
「よ…お前、何を盛ろうとした…」
『ハンジの媚薬!リヴァイに飲ませるためにハンジが、作ったっ…』
「クソメガネの入れ知恵か…」
『それもだけど!私がリヴァイを抱きたかったからっ!』
深夜の大部屋に、の本音は包み隠さず響き渡っていた。