第8章 今後の事
『ここも…久しぶりだな』
東さんの個人面談が終わり、私は久しぶりにランク戦ブースに足を運んでいた。狙撃手に転向してから来る必要がなくなったからだ。
香取「美晴?あんたなんでここに居るのよ?!」
『香取、元気そうだね。昨日のログ見たよ』
香取「あんたアレ見たの?!」
『だって玉狛は向こうの成績しだいでまたマッチングしそうだし』
私達が言っている試合は昨日の夜の部の話だ。香取隊と柿崎隊が三雲くんと雨取さんの新戦術にぐちゃぐちゃにされていたのを思い出す。
香取「それはそうだけど…最悪〜。で、ここに何しに来たのよ。狙撃手に転向したんでしょ?」
『うーん。久しぶりにスコーピオン使ってみようかな〜って。あ、香取相手してよ』
香取「え〜??……あんたスコーピオン握ったのいつぶり?」
『狙撃手に転向してから握ってないから…1年くらい?一応サブトリガーに入れてはいるけど使ってないし』
香取「ふーん。いいわよ!昔は1度も勝てたこと無かったけど今は勝てそうだし」
『何その理由。別にいいけどさ』
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結果
香取・鳩原:7・3
久しぶりの個人ランク戦は、スコーピオンは手には馴染んだが、頭に体がついていかず香取に大敗という結果で幕を閉じた。
『…………』
香取「腕なまりすぎでしょ。逆に申し訳なくなってくるわこれ。てかなんで今更スコーピオン?攻撃手にでも戻るつもり?」
『まあその可能性もあるよね〜』
香取「……まじ?」
『香取はさ、どう思う?私ってわがままかな』
香取「…は?」
『みんな優しいから、そんなことない気にするなって言うの。そんなわけなくない?私情で風間隊抜けて、狙撃手になって…東隊に入って1年も狙撃の訓練受けて……で、挙句また攻撃手に戻ろうとしてるなんてさ。わがままでしょ』
ソファに座りながら香取を見上げそう言えば、香取はため息をついて私の隣にドカッと腰掛ける。
香取「あんたがわがままならアタシはなんなのよ。嫌味?」
『あは、そういうつもりは無いけど。香取もわがままだよね』
香取「あんた…まあいいわ。アタシはあんたをわがままだと思ったことは無いけど、うじうじうじうじ…ウザったいなとは思うわ。好きなことやればいいじゃない。今のあんた、あんたらしくないわ」