第8章 今後の事
『私らしいか…香取から見て私ってどんなだった?私らしいって何かな?』
香取「あんたは…」
香取はそう言って少し考え込んだあと、ビシッと私のことを指さす。『人を指さしちゃいけないんだよ?』と言えば「うるさい!」と言われてしまった。良い子は真似しないでね。
香取「あんたはスコーピオンの扱いが上手くて、何よりボーダーに居て楽しそうだった。でも今のあんたは楽しそうじゃない。それどころか苦しそう」
香取「あんたは笑顔でスコーピオン振り回してればいいのよ。それが一番あんたらしいわ」
『そっか…ありがとう香取』
香取「別にいいわよ。ていうか妙にしおらしいの調子狂うからやめてくれない?」
『えー?そう?』
香取「そうよ。じゃ、アタシこれから防衛任務だから」
『頑張ってね。付き合ってくれてありがと』
香取「だからいーって。ていうか、もし玉狛と当たったら絶っっ対負けんじゃないわよ」
『はいはい。頑張りますよー』
ブースを出ていく香取を見送り、顔を上げて天井を見つめる。
『楽しそう…か』
確かに久しぶりのスコーピオンは楽しかった。すんなり手に馴染んだし、やっぱりこれが一番だとも思った。でも狙撃手に1年も費やしたんだよ?ここで、攻撃手に戻ったら…私の1年は…なんだったの?
そこまで考えてハッとする。
((私…今、もったいないって思った…狙撃手に使った時間がもったいないって))
皆、私の好きなようにしていいって言ってくれて…答えはもう出てるはずなのに、攻撃手に戻るのを渋る一番の理由が、1年が無駄になることが怖いからなんだ。
ブランクがあるからとか、自分勝手にやめたのにとか、そんなんじゃない。凄く身勝手で傲慢で自己中心的な最低な理由。
ああ、もうダメだ。
もう、自分が何をしても何を考えても自分を嫌いになる自信しかない。
『しんどいなあ……もういっそ辞める?ボーダー』
菊地原「何を辞めるって?」
背後から聞こえてきた声にため息をつきながら振り向く。
『どうせ聞こえてたんでしょ?どこから聞いてたの?』
菊地原「攻撃手に戻るかもってとこから」
『割と前じゃん』
菊地原「で、攻撃手に戻るってことは風間隊に戻るってことでOK?」
『いやそこまではまだ決めてないけど』
私がそう言えば、何言ってんだこいつって顔をしながら菊地原は私の隣に腰かける。
