第5章 B級ランク戦ROUND4
MAP中央に攻撃手達が勢ぞろいした事で、そこへの援護がしやすい位置に向かう。なるべく東さんとの対角を意識して。
東「俺は狙撃位置に着いた。美晴は?」
『私も到着しました』
小荒井「そういえば絵馬は?」
コアラのその問いに絵馬が居た方を確認すれば、射手用トリガーの弾が見えた。恐らく二宮さんだろう。
『二宮さんに捕まってるっぽい。ってことは北添先輩フリーだよ。砲撃警戒ね』
奥寺「了解」
中央で始まった乱戦をスコープで覗きながら、射線が通った敵にいつでも撃てる準備をする。影浦先輩?無視無視。当たりっこないから。無理ゲー。
奥寺とコアラの連携で上に飛んだ空閑くんを東さんと一緒に狙撃する。二方向からの狙撃、フルガードでもしない限りどちらかは必ず当たる。
予想通り東さんの弾の方が当ったようで、空閑くんの右足が落ちる。
東「俺たちは射線を変える」
奥寺「了解!」
新たな狙撃位置にスタンバイした時、西側で緊急脱出した光が見えた。
東「今の緊急脱出、誰かわかるか?」
『方角的に恐らく絵馬かと』
東「なるほど、じゃあ砲撃はまだあるな」
タイミングがいいのか悪いのか、そんな会話をした瞬間に北添先輩の砲撃が飛んでいくのが見える。
東「砲撃は俺が落とそう」
『じゃあ北添先輩は私が…』
東さんが砲撃を狙撃で落としたのを確認し、砲撃の方向から北添先輩を見つける。アイビスを撃ち込めば、北添先輩はガードが間に合っていないようで、当たるのは確実…そう思った。
北添先輩へと真っ直ぐ飛んで言った弾は、二宮さんのガードに弾かれ、そのまま二宮さんの射撃により北添先輩は緊急脱出となる。
『取られた…』
二宮さんが北添先輩を庇ったことへの衝撃で、北添先輩の最後の悪あがきという名の炸裂弾が奥寺達が戦闘を繰り広げる場に撃ち込まれたのに気づかなかった。
東「爆撃!」
『…あ!』
炸裂弾は見事に乱戦現場に落ち、その一瞬でたくさんのことが起きた…という事だけは分かった。
奥寺とコアラ、辻先輩が落ち、現在盤上には空閑くん、影浦先輩、二宮さん、後私と東さん。今は空閑くんと影浦さんが戦闘しているようだ。
東「ここは俺に任せて美晴は場所を移動した方がいい。空閑の次はお前にターゲットが移る」
『了解』