第5章 B級ランク戦ROUND4
((今回はこれでタイムアップ待ちになるかな))
空閑くんの緊急脱出を見届け、建物の影で息を潜める。
____________
解説視点
綾辻「さあ、試合は一転して静かな展開。全員がバックワームを使って距離を取りました。これはどういうことでしょうか?」
風間「狙える駒が居なくなったということだな。普通なら攻撃手が的にされるところだが、影浦には不意打ちが決まりにくい」
風間「次に狙いやすいのは東さんほどの経験もない鳩原だが、鳩原は元風間隊の隠密行動のプロだ。他二人が血眼になって探せば見つけられるだろうが、東さんが完全に姿を晦ませているから、下手に動けば即死も有り得る」
風間「普段なら噛み付きに行く影浦も、雪のMAPじゃいつものようにはいかないだろう」
____________
奥寺「今回はこのままタイムアップ待ちですか?」
東「二宮と影浦が派手に動かない限りはそうだな」
小荒井「結局オレら点獲れなくてすいません」
東「いや、今回は北添を抑え損ねたこちらが悪い」
『まさか二宮さんが間に入るなんて…』
東「はは、まあ雪MAPは割とうまく作用してたんじゃないか?」
小荒井「そうっすよね!」
奥寺「褒めちゃダメですよ東さん」
『まあ確かに雪MAPでデメリットはそんな無かったかな』
小荒井「だよなー!」
試合中に呑気な会話をするなと思うかもしれないが、この様子じゃ他の隊もタイムアップで終わりだろう。幸い私を狙う様子もないし。
しばらくすればタイムアップで試合が終了し得点が公開される。今回は複数部隊生存の為、生存点はなし。そのため純粋な得点勝負になり、二宮隊と東隊が3Pで並び、その次に2Pの影浦隊、最下位が1Pの玉狛第二となる。
元々二宮隊・影浦隊とは点が離れていた為、総合順位は変わらず7位、玉狛第二のみ8位へダウンの結果になった。
作戦室で解説の風間さんと加古さんの総評をお茶を飲みながら聞いていたが、風間さんが最後に三雲くんにしていた指摘に耳を疑う。
小荒井「ひぃ〜風間さん厳しい〜」
『いや、かなり甘いでしょ。三雲くんと風間さんって接点あった?』
小荒井「あれが甘いなんて…お前風間隊でしごかれすぎて甘いの基準おかしくなったんじゃね?」
『失礼な、私の感性は一般的だよ。木虎も言ってたし』
奥寺「木虎もおかしい部類だと思うけど」
