第4章 狙撃手合同練習と作戦会議
日浦「さすが奈良坂先輩!今回もダントツ1位ですね!」
奈良坂「そうでもないよ。当真さんたちの的を見てみるといい」
奈良坂先輩のその言葉に絵馬と当真先輩の的を見てみれば星とニコちゃんマークと、かなり遊んでいる事がうかがえた。
夏目「なにこれムダに正確!」
日浦「最初から点取る気なかったんだ…!」
奈良坂「点数だけじゃ実力は測れない。型にはまらない「自由な才能」が存在するからな」
当真「いや〜頭にネコ助乗っけて狙撃すんのは初めてだぜ。なかなか新鮮な体験じゃねーの。奈良坂もやってみ?楽しいぜ?」
奈良坂「遠慮しておく」
当真「つれねえなあ。美晴は?ネコ助乗っければ逆に軸が安定してもっと正確に当たるようになるかもしれないぜ?」
『なんですかそれ。私も遠慮します』
当真「ちぇー」
当真さんはそんな話をしつつも意識が絵馬の方に向いたのか、猫を乗せたまま絵馬達の方へ向かう。
当真「おー?なんだユズル。モテモテじゃねーか。こいつ絵馬ユズル14歳。お嬢さん方仲良くしてやってね」
呆れた様子の絵馬の頭をぺしぺしと叩きながら当真先輩が雨取さんたちにそう告げた。息子の彼女を探す父親か。
夏目「へーうちらと同い年じゃん。年下かと思った。アタシ夏目出穂」
雨取「雨取千佳です。よろしく」
絵馬「…どうも」
夏目「そういえば…えーと」
夏目さんの視線が私に向き、そういえば名乗ってなかったかと記憶を辿る。
『鳩原美晴、高校1年…よろしくね』
夏目「よろしくっす!」
日浦「雨取ちゃんはあれだよ。玉狛の大砲娘だよ」
そんな私の横で日浦ちゃんが雨取さんを絵馬に紹介する。姉みたいなタイプが好きなら、絵馬もきっと雨取さんを気に入るだろう。誰が見ても2人は雰囲気が似てるから。
絵馬「大砲娘…?」
日浦「試合のログとか見てない?」
絵馬「オレあんまムービー見ないから…」
夏目「ユズルってリーゼント先輩の弟子なわけ?」
当真「そうそう」
絵馬「違うよ。この人は勝手に師匠ヅラしてるだけ」
当真「おいおい切ねーこと言ってくれるじゃねーの。悲しいぜ俺は」
絵馬「何回も言わせないでよ。オレの師匠は鳩原先輩だけだ」
雨取「…!」
夏目「「はとはら先輩」…って?」
夏目さんの視線が私に向き、首を横に振って否定する。
『私の姉』