第1章 戯れ
「そうだ、稀血を分けてやろう」
そう言うと、自身の着物の袂を探った。そこには稀血の入った小瓶を入れていたのだ。
珠世を後ろに向かせて前に倒し、床に手を付かせた。四つ足の獣のような姿にさせられて、珠世は小さく抵抗した。
「なんだ、稀血を飲みたいのだろう」
珠世が小さく頷くのを見届けると、意地悪く喉の奥で笑いながら言った。
「尻の穴から飲ませてやろう」
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「なんてことを……ッ」
そう言った瞬間、珠世ははっと気が付いた。
医術の心得のある珠世は、薬は口から摂取するより直腸から摂取する方が吸収率が高いということを知っていた。
ということは、同様に直腸から血液を取り入れる場合、経口摂取する際より必要量が少なく済むのではないか。それなら傷付ける人を最小限に抑えられるかもしれない、と。
しかしながら珠世は床に這いつくばりながらも、その卑劣な提案にわなわなと震えていた。
無惨はそんな珠世を一瞥すると、その襦袢の裾と腰巻を捲り上げ、白い尻を剥き出しにした。
子を産んでいるにも関わらず細い体であったが、尻だけはまさしく経産婦のそれであった。その上、女陰の周囲は黒々とした陰毛でびっしりと覆われている。珠世の淑やかで清廉な顔にはあまりにも似つかわしくないその様に、無惨は昂ぶる欲を抑えることが出来ず、思わずその尻を大きく叩いた。
「ああッ……!」
ぱん、と肉の詰まった良い音が鳴り、白い尻が赤く染まる。
そのまま数回その尻を叩くと、珠世が屈辱に耐えるようにその形の良い唇をぎりぎりと噛んだ。
「そろそろお待ちかねの稀血を入れてやろう」
無惨は自身の指に稀血を垂らすと、珠世の後孔へと向けてじわじわとその指を伸ばした。
「ああ……ッ」
珠世の美しい菊門が無惨の指に責められ、恥じらうように広がっては窄まる。この場所はおそらく夫にも許してこなかったと思われた。柔く掻くようにこじ開けながら稀血に濡れた指を差し入れると、珠世の息が荒くなる。この程度の稀血の量で酔う珠世を、無惨はいじらしく思った。
彼はそれまで小瓶の中身の半分は自分で飲み、残りを珠世に飲ませてやろうと思っていた。
しかし、その考えをあっさりと変更することにした。
小瓶の先を珠世の菊門に捻じ込むと、思い切りそれをひっくり返したのだ。