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【鬼滅の刃】戯れ

第1章 戯れ


すると不意にぴくり、と珠世の舌が蠢いた。更に何を思ったか自ら無惨の舌を絡め取り、音を立ててその舌を吸い始めたのだ。


──稀血の効果が続いているのか……?
否、稀血は先程全てひり出していた筈だ。


──ならば、完全に“堕ちた”のか?


見ると、珠世は無惨の柔くなりかけていたそれを引き抜いて、その代わりにと自ら女陰に手を伸ばし、その中心に指を突き立てている。
顔を艶めかしく火照らせた珠世が指を動かす度に、数百年分もの精が淫猥な音を立てて溢れ出た。

「珠世。淫らなお前も美しい。お前が望むだけ私の種をくれてやろう」

ふとその時、珠世の夫の顔が無惨の脳裏をよぎった。
この珠世を孕ませ、曲がりなりにも子を成したあの男の子種と、これから永遠と交わることになろうとも決して実ることのない我が子種とでは、一体どちらが哀れなのだろうか、と。




──私はいつかまた人間に生まれ落ちることは出来るだろうか。その時は必ずしやお前を娶り、毎晩のように愛でて孕ませ、日に日に膨れ上がる腹を撫で摩り、慈しんでやりたいのだ。


──お前が産みの苦しみに耐える顔も見せてくれ。手を握り、汗を拭い、珠世珠世と何度も声を掛けてやろう。苦しさのあまり糞尿を垂れ流す女もいると聞く。そんな姿すら愛してやろうぞ。嗚呼、その緩み裂けゆく股座すらも見たいのだ。


──嗚呼、珠世。我が子を抱きながら、お前はどんな顔で乳を与えるのだろう。珠世、珠世。私はお前の全てが欲しい。



今の無惨にはそのどれもが手に入らぬものであった。
彼自身にも解っていたのだ。
彼の望む“仕合わせ”は“死合わせ”であるということを。
だからこそ今宵も無惨は珠世を犯すのだった。おおよそ人間には出来ないであろう、ありとあらゆる交わり方で。
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