第1章 一
夜が更け、蟋蟀の声しか聞こえなくなった時分に、再び僧はその女の元を訪れた。
銭湯へ行って来た、と言う女からは艶めかしい湿度が感じられた。風呂上がりの女の香りは日々厳しい戒律を守るその僧の下腹部すらも擽ぐった。
香を焚き、仏壇に手を合わせる女に向かって、今から私の言う通りにしなさい、と僧が言うと、「はい」という素直な返事が返ってくる。
「では寝巻の裾を捲ってここに座りなさい」
僧は小さな拒否と抵抗の声を上げた女を引き寄せた。想像していたよりも小柄だと思った。僧は女の細い手首を掴み、自身へと導いた。
袈裟を大きく捲り上げ、褌越しに握らせた僧自身はすでにその頭を擡げ始めている。嫌がる女の手を掴んで褌の隙間に捩じ込み「これも仏行だ」と言うと、どうやら女は観念したようにされるがままになった。
袈裟を脱ぎ捨てた僧は、その下の法衣も手早く脱ぎ捨てた。褌に足袋という姿になると、床にどしりと胡座を掻く。
女の寝巻の裾だけを捲り、向かい合うようその膝に座らせた。昂るそれを褌越しに女の下腹部に押し付ける。
腰を逃がそうとする女に気付き、僧は褌の中に自らの手を入れ数度上下した。やがて重そうにずるりと引きずり出されたそれを見て、女は思わず息を呑んだ。