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【鬼滅の刃】破戒

第1章 一


その女の着物で隠れる部分にはすっかり念仏を書き尽くした。
僧は濡れ手拭いで自身の顔を拭きながら、「この念仏が消えないようにしておきなさい」と女に告げた。
次に来た時にまた書いてやろう、と付け加えると、僧は女の家を後にした。

──嗚呼、さぞかし身を清めたいだろうに。
この哀れな未亡人は犯された身を清めることすら出来ぬまま、再び私に犯される日を待つことになるのだ。


冥い夜道を行きながら、僧はその背徳感に身を震わせた。


──しかし、もしあの未亡人に夜這いを掛ける男がいたとしても、その体中に走る念仏を見たらきっと恐れをなすだろう。
──仮にそのまま行為に至ろうとしても、女陰に書かれた私の名が目に入り、その気も萎えるに違いない。
──強引に行為に至られてしまっても、私のものを受け入れたあの女陰が並の男のもので悦ぶことは無いはずだ。



──物の怪など、私は祓えぬ。

冷たい夜の滝に打たれ、そうやって僧はその女への執着を押し殺す。繰り返し念仏を唱え、自身が犯してしまった破戒の余韻に浸りながら。











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