第5章 ひと騒動

時は進み朝のホームルーム。

「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった。爆豪、お前もうガキみてぇなマネするな。能力あるんだから」
「・・・・・わかってる」

「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か。個性の制御、いつまでも出来ないから仕方ないじゃ通さねえぞ。俺は同じことを言うのが嫌いだ。それさえクリアればやれることは多い。焦れよ緑谷」
「っはい！」

相澤からの助言が終わり、気づけばクラス委員長を決めることになっていた。
みんな挙手をして委員長を名乗りあげる中、飯田の提案で決定方法投票となった。

『（あれ、どーしよ。誰かに入れたら話ややこしくなっちゃうかな、無難に自分にしとこうかな)』

票数がかなり僅差になるため、物語を邪魔しないように配慮する紬。

『ん？』

投票結果が張り出され、不思議な光景が広がる。

『に、2票ある・・・』

なんと一部を除いてほぼ全員が自分に入れる展開となっていたはずなのに、八百万と並び紬にも票が入っていた。

「八百万と紬が並んでる！」
「僕3票ーーー！！！？」
「なんでデクに・・・！！誰が・・・！！」

『（あれ、よく見ると葉隠さん0票だ。他の人は誰に入れたか覚えるけど、確か漫画の方には描写なかったんだよね）』

まさかここで自分に入るとは思っておらず、驚いている。

「同票はどうする？ジャンケンか？」
「そうですわね・・・もう一度投票を取るのはいかがでしょうか」
『い、いやいやいや！時間取っちゃうしいいよ！副委員長とか務まるガラじゃないし！』
「そう？紬ちゃんなら向いてそうだけど・・・」

上鳴がジャンケンを提案し、八百万が再投票を申し出るが、そもそも波風立てない様に自分に入れただけで、委員になる気などさらさらなかったのだ。

『辞退させていただきます』
「？まぁ、紬がいいなら、それでいいけどよ」
「紬さんの分まで、立派に務め上げて見せますわ！」

驚きの展開はあったものの、委員長は緑谷、副委員長は八百万で決定となった。