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【ヒロアカ】転生した先は猫人間でした【爆豪】【轟】

第12章 一難去って・・・?






『・・・寝れん』

あんな事件に巻き込まれたからか、慣れない場所だからか、はたまた爆豪の古着を着ているというドキドキ感からか、布団に入る前中々寝付けない紬。

時刻はすでに深夜の1時を回っていた。

【ガラッ】

窓を開けると深夜の心地よい風が入ってくる。
騒がしかったあの街が夢だったのように静まり返っている。

「・・・寝れねーんか」

『ひゃっ』

窓から顔を出して風を堪能していると、少し離れたところから隣の部屋にいるはずの爆豪な声が聞こえてきた。
声のする方へ目を向けると、隣の部屋の窓から顔を出している爆豪がいた。


『勝己も寝れない?』
「寝れるわアホ。・・・暇なら俺の部屋来い」
『えっ!?!?いいの!?』
「声デケーんだよ」
『ご、ごめん・・・。じゃあ、お邪魔します』


爆豪の申し出に部屋を移動する紬。
胸がざわついて寝付けなかったのは事実だったから。

「・・・」
『あの・・・』

部屋に入ってきた紬をじっと見つめる爆豪に、またしても恥ずかしくなって声をかける。

「まぁ座れや」
『ハイ』

言われるがまま爆豪の隣に腰掛ける。

「ん」
『えっ』
「不安で寝れねーんだろうが。くっついてたら寝れんだろ」
『そ、そんな、し、心臓が「いいからはよしろ」・・・』

事件の最中、泣いたまま爆豪にだから眠りについたことを思い出し、今こんな状況でそんなことされたら流石に心臓が持たないと拒否しようとした紬に有無を言わさず抱きしめる爆豪。

『あのぉ・・・。ほんとに死にそうなんですケド』

先程から心臓の高鳴りが抑えられず、顔が真っ赤な紬。

「・・・そんな怖かったんか」
『へっ?』
「寝れなくなるくらい怖いと思ったんか」
『・・・怖い、っていうか。この世に存在しちゃいけないって言われて、なんか、その通りなのかもな・・・って!?』

話してる最中に爆豪の紬を抱きしめている腕に力が入る。

「クソヴィランなんぞに言われて訳のわからん納得なんかすんな。テメーを守ろうと動いてた俺の努力が無駄になんだろーが」

『・・・・あり、がと・・・っ』

爆豪の言葉に今まで封じ込めてきた涙腺が崩壊し、縋るように泣く紬を夜が明けるまで抱きしめたまま爆豪は眠りについた。


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