第12章 一難去って・・・？

「そう・・・。あ、ならウチに来なさいよ！」
「『あ？/へ？』」
「あんな事あった後に帰って家に一人じゃ心細いでしょ」
『い、いやぁそんな・・・おかまいなく』
「・・・来いや」
『え！？嫁に！？』
「アホか！耳腐っとンのかボケ猫が！！」
「あらやだ、もしかして彼女だったの？だったら尚更来なさいよ！刑事さんには私から伝えてくるから、待ってて！」
『あ、ちょ・・・』


突然の光己の申し出に戸惑う紬を他所に意外にも肯定した爆豪に驚いていると、光己は話進めていき光の速さで所内に入って行った。



「ババアの前でそーいうこと言うんじゃねえ！冗談が通じないタイプのババアなんだよ！！！」
『えへ♡・・・でも、ほんとにいいの？お邪魔しちゃって』
「・・・泣いてただろーが」
『えっ』
「どーせ家帰っても一人でメソメソしてんだろ」
『・・・ありがとう』
「おー」


爆豪に先ほどの言葉の真意を確かめると、またしても意外な答えが返ってきた。
紬はみっともなく爆豪の前で泣いていた事を思い出し、照れくさそうにお礼を言う。

『やっぱ好きだなぁー』
「！・・・今更かよ」
『ちょ、つっこんでよ！恥ずかしいじゃん！』
「はっ、アホだな」
『ひど！優しくしてくれて嬉しかったのに』


今日の爆豪はなんだかおかしい、と思った紬。


『怖かった？』
「あ"？」
『攫われてからさ、今も様子が変だし』
「誰がこえーって？怖くねーよクソが！・・・お前が急に泣いたり、俺から離れんなっつってんのに離れるからだろーが」
『え？』
「クソ髪が来た時だよ！テメェは俺1人で飛ぶように指示しやがっただろーが！」
『あ、あれは・・・。なんとなく、どうにかなるかなって』
「もう二度と勝手な事すんじゃねぇ。見えたもんは全部教えろや」
『ん、わかった』



何だかこそばゆい会話だな、そう考えていると、光己が戻ってくるのが見える。

「さ、行きましょうか」
『はい！お世話になります！』

2人は光己に促され車に乗り込んだ。